参加者が持ってきた安倍元首相の絵画と一緒に微笑む昭恵さん(撮影/上田耕司)

旧安倍派を応援するかは「まだわからない」

 これは2人を物語るエピソードとして非常に印象的だったので、昭恵さんに「晋三氏との出会いの時、どうして1時間近くも遅れたのですか」と聞いてみた。すると、笑いながらこう答えた。

「あの頃は携帯電話がなかったので、私を連れていってくれる人が先に会社を出て行っちゃって、私は置いてけぼりになったんです。だから一人で行った。私が遅れたわけじゃないんですよ」

 結果的に昭恵さんという支えがあったからこそ、晋三氏は首相にまで上り詰め、歴代最長となる7年8カ月という長期政権を作った。出身派閥の「清和政策研究会」(旧安倍派)も隆盛を極めたが、22年11月に自民党の「裏金問題」が発覚して以降は窮地に立たされ、24年1月には解散を決めた。

昭恵さんに「旧安倍派議員には頑張ってほしいか」と尋ねると「ふふふ、そうですね。でも、数字的な話はナシで」とかわされた。昭恵さんは昨年10月の総選挙で旧安倍派の立候補者の応援に駆け回った。今年7月に予定される参院選でも応援するかどうかは「まだ、わからないです」と慎重だった。

 つき会場となった大久保公園の周辺には、売春目的で客待ちをしている女性たちが多くいることで知られる。特にホストクラブに通う若い女性たちが、ホストに貢ぐための資金作りとして売春に手を染める実態は社会問題となっており、政府も対策に乗り出している。また、歌舞伎町には「自分の居場所がない」という10代が集まる「トー横」があり、こちらも社会問題になっている。昭恵さんはこうした現状について、どう考えているのか。

「未成年の若い子たちがそういうこと(売春)をしていることが大きな問題になっています。(女性を買う)男性がいるからそういう職業が成り立つんだと思いますけど、なかなか取り締まりが難しいですよね。トー横にも行きましたけど、私が入っていっても、なかなか話が聞けないことが多い。だから、この場所でお餅つきをすることで、おいしいものを食べながら、そういう子たちとお話ができたらいいなと思っています。昨年もここでやったら、トー横の子たちも食べに来てくれました」(昭恵さん)

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「トー横」キッズたちとも談笑