歌人で生物学者の著者によるエッセイ集。表題は、「あの午後の椅子は静かに泣いてゐたあなたであつたかわたしであつたか」の歌より。庭草に半ば埋もれるようにして腰かけた妻の、再発した病を思って泣いていた姿を想う。 結婚式以来、散髪屋に行ったことがなく、長くなったら後ろの髪も含めて自分で適当に切るという。「親父の背中」という言葉に父親自身の強がりの響きを感じ取り、「若者らしく」「自分らしく」などの「ら…
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胡蝶は夢なのか 知っておきたい中国故事
歌人で生物学者の著者によるエッセイ集。表題は、「あの午後の椅子は静かに泣いてゐたあなたであつたかわたしであつたか」の歌より。庭草に半ば埋もれるようにして腰かけた妻の、再発した病を思って泣いていた姿を想う。 結婚式以来、散髪屋に行ったことがなく、長くなったら後ろの髪も含めて自分で適当に切るという。「親父の背中」という言葉に父親自身の強がりの響きを感じ取り、「若者らしく」「自分らしく」などの「ら…
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