そんな斉藤を「普通の人じゃない」と語るのは、気心の知れた関係にある作詞家・松本隆氏だ。
同氏がパーソナリティーを務める「松本隆 風街ラヂオ」(TBSラジオ)の24年12月22日放送回にゲスト出演した斉藤は、自身のアイドル時代を振り返る中で「素晴らしいお化粧品を使うとか、エステティックに通うとか、美容院は週に1回行くとか、(そういう)いろんなことがわりとどうでもいい人」と自身の無頓着ぶりを明かしつつ、「ただ言えるのは、演技をしてる時とか、歌をうたってる瞬間とか、自分の本分の部分が本当に楽しかった」と発言。
すると、松本氏は「こうやってしゃべると、みんな斉藤由貴の正体がわかると思う。だから、この人はね“詩人”なんですね」と形容していた。
良くも悪くも「昭和の時代の芸能人」
俳優や歌手として唯一無二の存在感を放つ斉藤について、芸能評論家の三杉武氏は次のように語る。
「斉藤さんといえば、『ミスマガジン』のグランプリに選ばれたのがきっかけで芸能界入り。キュートなルックスやどこか切なさや儚さを感じさせる独特な歌声でたちまち人気者となりました。また、学生時代から文学や映画、漫画、アニメなどを愛し、作詞を手掛けたり、エッセーや詩集を発刊したりするなど芸術的な才能も業界内では高く評価されています。他方、私生活では故・尾崎豊さんや川崎麻世さんらとの不倫交際が世間を騒がせたことも。1993年に川崎さんとの関係が発覚した際には、川崎さんが、当時妻だったカイヤさんが険しい表情で同席する中で会見を開き謝罪した一方、斉藤さんは会見で『前の人とのことがあったにもかかわらず、本当に学ばない人間なんだなと自分のことながら悲しい気持ちです』と述べていたのが何とも印象深いですね。もちろん不倫を肯定するつもりはありませんが、斉藤さんは良くも悪くも昭和の時代の芸能人を彷彿とさせる“浮世離れした存在”として、広く認知されているのかもしれませんね」
24年だけでも『坂の上の赤い屋根』(WOWOW)、『警視庁・捜査一課長 スペシャル』(テレビ朝日系)、『95』(テレビ東京系)、『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)といった多くのドラマに出演し、25年はデビュー40周年で36年ぶりの全国ホールツアーも決定している。テレビ業界から引く手あまたの斉藤。騒動を経て独身となった今、フリートークにも注目が集まりそうだ。
(小林保子)