「サッカーの宮様」の愛称で親しまれた高円宮さまの逝去後、日本サッカー協会の名誉総裁を引き継いだ久子さまは、試合会場にたびたび足を運んでは選手を激励してきた。
大学時代は写真部に所属し、月刊誌に写真エッセイを連載。『鳥と根付 春秋の物語 レンズを通して』などの著書も出している久子さまが、選手の雄姿をおさめようと本格的な望遠レンズを装着したカメラを構える凛々しい姿も定番になっている。
そして、ときにはサッカーボールのイヤリングを着けて全力で応援する姿から、若い世代の間にファンを増やしている皇族のひとりだ。
高円宮家のアシンメトリーの宝冠
「皇族で最も忙しい」とも言われる久子さま。高齢化が進む皇室のなかで、海外の王族の結婚式や式典などに出席して人脈を築き、体力の必要な海外公務を担ってきた皇族のひとりだ。
そうした華やかな式典の場では、宮家に受け継がれるティアラを装着することもある。
また、高円宮家の三女の守谷絢子さんが18年10月に都内で開いた結婚を祝う晩さん会では、久子さまがお持ちの首飾りを絢子さんがティアラとして着用されるなど、久子さまのジュエリー姿を楽しみにしているファンも少なくない。
元日に天皇、皇后陛下と皇族方が宮殿で臨む「新年祝賀の儀」では、女性皇族はローブデコルテとティアラの正装で臨むように、皇族として生まれた女性は成年となったタイミングでティアラを製作する。
皇族方のティアラや装飾品の製作を手掛けてきた工房のひとつで、1969年創業の宝飾工房「アトリエマイエドール」によれば、ティアラを製作することになった内親王さまや女王さまは18、19歳とまだ若い。打ち合わせは、宝飾品について深い知識を持つ母である妃殿下が主導する形で進む。
2006年に成年を迎えた長女の承子さまは、フェニックスの羽をモチーフにしたデザインをリクエストされたが、このティアラのデザインにも久子さまの美的センスが体現されている。