
歴代5人の皇后が着けてきたティアラは、天皇が代々受け継ぐ「由緒物」で、皇后に「お貸し下げ」されてきた。
皇后雅子さまが、2019年の天皇陛下の即位に伴う一連の宮殿での儀式やパレードで着用されていたのが、「皇后の第一ティアラ」だ。
明治時代にドイツの職人の手によって造られたブリリアント型の宝冠。60個のダイヤモンドがちりばめられ、トップには9つのダイヤの星飾りを戴くデザインだ。中央の星飾りのダイヤは、21カラットの大きさだという。星飾りは取り外して花簪にもなる。首飾り、純金のブレスレットとあわせて140個もの宝石が使われた豪奢な宝冠だ。

自然の造形美を体現した日本のティアラ
皇后のティアラが日本製になったのは、大正時代に製作された「皇后の第二ティアラ」からだ。皇室に納めたのは、宝飾大手の御木本(現・ミキモト)。
24年6月の英国訪問での晩餐会で雅子さまの頭上で輝いていた、菊をモチーフに日本の職人らしい自然の造形美が表現された宝冠だ。