「罪穢れを祓う」とは、「本来のあなたに戻す」こと

 罪(つみ)という言葉は、漢字だけを見ると、「悪いことを犯した」ととらえがちですが、もとは「つつむ(包む)」に由来します。

「罪穢れを祓う」とは、いつものあなたではない状態にした「包み」を取り払い、本来のあなたに戻す、ということ。神社でのお祓いにも、このような意味があります。ですから参拝に上がり、神様に「気」をいただくことで、「元の気(もとのき)」を取り戻し、「元気」になれるのです。

「包み」には、もうひとつ、「ベールのように覆われているもの」という解釈があります。いつものあなたではない状態にしている「包み」のひとつが、「イメージ」だという見方です。

 たとえば僕の場合、「男」「父親」「神社ソムリエ」「シンガーソングライター」など、人により違うイメージをもたれます。ただ、そこに「男なら強くあるべき」「父親の責任を」などと、固定観念や理想像といった色が足されていくと、苦しくなってしまうことがあるのです。

 そんなふうに現状に押しつぶされそうなときにも、お祓いはおすすめです。

 御祈祷の際には、なりたい自分を思い描き、自分に集中します。すると周りの声が気にならなくなります。そして神様の前で自分を包むイメージを払えば、ニュートラルな状態に戻れます。神社での定期的な御祈祷で、余計なものをリセットできるのです。

イラスト:蛸山めがね
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期待とプレッシャーに打ち勝つには