日本ハムからメジャーを経由してソフトバンクに移籍した有原

日ハム戦での重圧をはねのけられるか

 有原は活躍を続けているが、米国から日本球界に復帰した近年の先発投手たちを見ると、苦戦しているケースが目立つ。米国で1年半プレーし、巨人に復帰した山口俊は21年に2勝8敗と大きく負け越し、22年は1試合登板のみに終わって戦力外通告を受け、NPBの他球団からオファーがなかったため現役引退した。また、楽天を退団して巨人に電撃入団することが報じられた田中将大も、ヤンキースで7年間プレーしてメジャー通算78勝をマークしたが、楽天復帰後は20勝33敗と負け越し。今季はコンディションを整えるのに時間を費やし、1試合登板のみに終わった。上沢はどうか。

「上沢は米国で1年間しかプレーしていないので、NPBの野球に対応する時間は掛からないでしょう。ただ、技術面より、精神面の強さが問われると思います。西武からFA移籍した山川穂高ソフトバンク)は、西武戦で球場中に響き渡るブーイングを浴びましたが、本塁打と打点の2冠に輝き結果を残した。上沢も日本ハム戦に登板した際は、厳しい視線が向けられるでしょうし、ブーイングを浴びるかもしれません。その重圧をはねのけられるか」(選出のスポーツ紙記者)

結果を残せず「不良債権」となれば、さらに風当たりが強くなる厳しい世界だ。新たな球団でのリスタートを選んだ30歳右腕は、福岡の地で輝けるか。

(今川秀悟)

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