
また、今回の「いじめ的情報と感じる」という発言は息子を守るためのものだったとも感じます。大正天皇に関しても「不敬」な噂が広がりましたが、いまではネット上で罵詈雑言が可視化されていて、誰でも見られます。これはあまりに酷すぎるんじゃないか、なるべく静謐な環境で見守ってほしいという秋篠宮から国民に向けてのメッセージだったのではないか。もっと言うと「この状態が続くならば、もう皇族を離脱したい」という抗議の声にも聞こえます。
繰り返しますが、天皇や皇族もひとりの人間です。当事者の声を聴かず、「個」を犠牲にして「型」に落とし込むことが適切なのか。国民の側も問われています。
(構成/編集部・川口穣)

※AERA 2024年12月23日号