2024年度に訪問介護の基本報酬を減額したことで、現場は大変な目にあっています。今回の衆議院議員選挙で、介護を選挙の争点にしたいと、各政党に公開質問状を送りました。訪問介護の基本報酬減額の即時撤回に賛成しますかという問いに、自民党はノー、公明は「どちらともいえない」。自公を支持した人たちは、介護保険崩壊に加担し、自分で自分の首を絞めたことになります。

 若い世代は、自分の老後の前に親の介護が来ます。だからまず、親の介護から学ぶことが大事。そうすれば、介護保険の使い方もわかります。特に男性には同性の親の介護を経験してほしい。これが自分の未来かとぞっとするはずです。親の老いと死は、子どもが学ぶ最後の教育です。

 ちなみに、私たち団塊の世代は物わかりのよい老人にはなりません。暮らしを管理されたくない、老人ホームに入りたくない、子どもだましのレクリエーションやおためごかしの作業はやりたくない、他者に自分のことを決めてほしくない、これが私たちです。上の世代のように家族の言いなりにはなりません。

(構成/ライター・濱野奈美子)

AERA 2024年12月23日号