5人で活動するPLAVE。10月に出演したRakuten GirlsAwardでは流暢な日本語で挨拶するシーンも (c)Rakuten GirlsAward 2024 AUTUMN/WINTER
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 VTuberカルチャーが世界に向けて加速している。韓国の5人組バーチャルボーイグループ「PLAVE」もその一つだ。彼らはいかにして生まれたのか。AERA 2024年12月16日号より。

【図表を見る】日本で生まれたVTuberカルチャーが世界で拡大中

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 真っ暗なステージに少しずつ人の姿が浮かび上がってくる。ライトが照らした先で歌い踊るのは、ウェブトゥーンルックな男性たち。千葉・幕張メッセで開催された日本最大級のファッション&音楽イベント「Rakuten GirlsAward 2024 AUTUMN/WINTER」に出演したのは、韓国のバーチャルボーイグループ「PLAVE(プレイブ)」だ。

 PLAVEは2023年3月にデビューした5人組で、バーチャルアイドルとして活動している。ガールズアワードでバーチャルアーティストがパフォーマンスをするのは今回が初めてで、開催前から注目度は抜群。当日はデビュー曲の「Wait for you」など2曲を披露し、会場を魅了した。

K-POPも新領域へ

 16末年に日本で生まれたVTuberカルチャーが、世界に向けて加速している。

 グローバルインフォメーションが公表したQYリサーチの調査では、世界のバーチャルアイドル・VTuberの市場規模は、24年の約2550億円から30年までに約7548億円に達すると予測。国別に見ると、日本、中国、アメリカ、インド、韓国などで市場が広がっていることがわかる。その広がりはさまざまなカルチャーと融合し、奥行きをみせている。

 冒頭のPLAVEもその一つだ。

「私たちの持つ技術にK-POPをかけ合わせれば、双方向でコミュニケーションをとれる新しいアイドルが生まれるのではないかと考えました」

 そう話すのは、21年に設立された韓国のバーチャルエンターテインメント企業「VLAST(ブラスト)」CEOのウィリアムさん。テレビ局韓国文化放送MBCでVFXやVRを使った番組作りを手がけていたウィリアムさんが、MBC社内の新規事業企画に応募したことでVLASTが誕生した。

VLAST CEO:ウィリアムさん/2002年、韓国文化放送MBC入社。ドラマ「善徳女王」「太陽を抱く月」などでVFXスーパーバイザーを担当。21年から、バーチャルエンターテインメント企業「VLAST」CEO(写真:VLAST提供)
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