
地方の古い空き家が“宝”に変わるという。一体どういうことなのか。共著に『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』や著書『空き家・古家不動産投資で利益をつくる』(いずれもフォレスト出版)などがある(一社)全国古家再生推進協議会の理事長・大熊重之さんに、【前編】では、空き家投資の魅力やメリットについて聞いたが、【後編】では、事例とともに成功した物件を見ていきたい。
【写真】あんなにボロボロだったのに…可愛い子ども部屋に大変身!!
【前編】<空き家はなぜ「売る」より「貸す」ほうが得なのか 地方ほど“利益率が高い”理由を専門家が解説>より続く
実際に成功した投資家たちは、地方の空き家をいくらで購入し、どのように再生し、利回りはどれくらい得ているのか。それを語る前に、まず「地方の空き家投資の以下の3つの誤解を解く必要がある」と大熊さんは言う。
- 「入居者が決まりにくい」
- 「不動産価値を維持できない」
- 「融資を活用しにくい」
「これらは全部大きな誤解です。地方の戸建ての賃貸は『入居者が決まりにくい』という根拠はありません」
値崩れもしにくい
不動産価値や融資についてもこう語る。
「都市部のアパートやマンションは高額なため、融資の審査が緩い状況では、購入者が増えて価格がさらに上がります。一方で、融資の審査が厳しくなれば、購入者が減り価格が下がりやすくなります。しかし、地方の空き家はそもそも低額なので、融資の状況の影響を受けにくい。家屋の価値は低くても、広い土地を含むため、値崩れもしにくい。むしろ地方は投資対象として不動産価値が高いといえます」
「物件の管理がしにくい」「地方だと交通費がかかる」というのも大きな誤解だと話す。管理は地元の管理会社に頼むことができるうえ、交通費も投資総額で考えると問題ない。物件の取得に関わるすべてのコスト(仲介手数料や不動産取得税、登記費用など)が安く抑えられることを考えると、トータルで見れば、やはり地方の空き家投資はメリットが多いという。