時々話題になる「若い世代の専業主婦願望」。取材で出会った若者たちは、そんな願望よりも、シビアな現実を冷静に見据えていた(撮影/写真映像部)
この記事の写真をすべて見る

「仕事はハードでも専業主婦になりたいわけではない。」女性の社会進出が進み、仕事と家庭を両立しやすくなった今、学生が希望する世帯のスタイルやキャリアプラン・ライフプランとは。AERA 2024年11月25日号より。

【図表を見る】「女子学生が希望する世帯スタイル」はこちら

*  *  *

学生時代の友人と集まっての飲み会。誰からともなく、こんな言葉が飛び出した。

「誰でもいいから養ってほし~」

 都内に住む女性(23)は、第1志望の外資系企業で働き始めて約半年がたった。仕事はハードだが、やりがいは十分。毎日充実しているが、最近異動してきた上司に頭を抱えている。

「何かにつけて嫌みを言ってきたり、どう考えてもパワハラだと思う言動も多いんです。自分のミスを押し付けてきたり、本当にイライラします」

 ストレスが最高潮に高まったとき、「専業主婦」の四文字が頭をよぎる。だが、本心ではないという。

「友達も同調してるけど、本気で専業主婦になりたい子はいないと思います。専業主婦という選択もできると思えると気持ちがラクになるけど、専業主婦しか選べないとなるとそれはそれでプレッシャーになりそう」

 就職情報会社のキャリタスが2024年に大学・大学院を卒業した学生を対象に実施した調査では、「妻が家庭にいる専業主婦家庭」を希望した女子学生はわずか5.5%。16年の同調査では17.8%だったので、わずか8年の間に3分の1以下に減少したことを示している。

 キャリタスリサーチ上席研究員の松本あゆみさんは言う。

「勤務地、働く時間など、子育てしながら働きやすい環境が各企業で整いつつあります。一般職を廃止する企業もあり、女性が活躍できるシーンも増えています。自立したい考えをもっている学生が増え、まずは自分の力を試したい意識の表れともいえるでしょう」

 先の女性もその一人だ。

「今の職場でキャリアを積んだ後は別の業界に転職して、もっとお金を稼げるようになりたい。いつかは結婚もしたいので、子育てしながら働くための基礎を作りたいんです」

次のページ 父親の言動にうんざり