どんな役割担えるか
役者として出演を決める際も、「現場でどんな役割を担えるか」という視点を大切にしている。
「テーマやプロデューサーの熱量に心動かされることが多いですが、同時に『この役なら、いい動きができそう』『私が役割として機能できそう』という感覚で、作品を選んでいるところはあるかもしれないですね」
作品の規模の大小は、自身の尺度にはないから、俳優・映画監督養成スクール「ENBUゼミナール」が製作・配給を行った映画「とりつくしま」(公開中)にも出演をしている。
かつて小泉さんが出演した作品を手がけた故・相米慎二さんや故・久世光彦さんについて、どんな現場だったのか、話を聞きたい、と若いスタッフから声を掛けられることもある。
「生きている限り、これまで出会った素晴らしい人たちについて聞かれたら答えなければいけない、と思っています。そう考えると、たくさんの人たちに出会い、繋げていくのも私の役割なのかな、と。私が経験してきたことを誰かに伝えることで先まで繋がっていく。その循環で、この世界はできているんじゃないかな、と思っています」
(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2024年11月25日号