週刊誌報道を受けて記者会見し、時折声を詰まらせながら説明する国民民主党の玉木雄一郎代表=2024年11月11日
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 特別国会が召集された11日、首班指名に先立ち、政策協議に強い影響力を及ぼすとみられる国民民主党代表の玉木雄一郎氏が、不倫釈明会見を開いた。10月の衆院選で大幅に議席を増やし、浮足立ったわけではないのだろうが、なんとも混沌としたスタートになった。永田町の関係者は「この人なら国を変えてくれるかもしれないと、若い人からの支持も熱い」と語る。玉木氏とは、どんな人物なのか――。かつて玉木氏の間近で働いた3人の元秘書らに話を聞いた。

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 以前、自身を「売れない地下アイドル」と称していた玉木氏だが、衆院選後にそれまでの7議席から28議席となると、各党から“ラブレター”が送られるモテ男になり、その動きが注目されている。その玉木氏は、政権に加わることはないとの考えを示し、政策ごとによって協力ができるかを判断すると語っている。今国会で、大きな影響力を持つことは間違いない。

大平正芳元首相との共通点

 その玉木氏が、政治の道へ踏み出すあたりからの簡単な経歴に触れておきたい。

 玉木氏が初めて国政に挑戦したのは2005年。東大法学部、大蔵省を経て、「自民王国」と呼ばれた地元・香川県の小選挙区(2区)から民主党公認で出馬したが、自民党候補に大敗した。その4年後の09年、ふたたび衆院選に民主党から立候補し、自民の前職を破って初当選した。

 保守王国でありながら、民主党の玉木氏が自民候補に勝てた背景には、同じ香川県出身の大平正芳元首相(1910~80)の存在がある。

「玉木の考えが、祖父の田園都市構想、外交政策に通じるものがあって、大平の意思を継ぐものだと私は感じ、彼を応援することにしました」

 こう話すのは、大平元首相の孫で玉木氏の秘書を務めた渡辺満子氏だ。

 玉木氏は、大平元首相とは遠縁にあたり、大蔵省出身である点も共通している。自民党所属ではないが、自ら「大平政治の継承者」を自負している。渡辺氏によると、選挙では大平元首相の後継者で渡辺氏の父である森田一氏(元運輸相)の名簿を使い、選挙区内の自民党支持者らにあいさつ回りをしたという。

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「彼は“政治アスリート”です」