佐々木朗希のメジャー挑戦が話題を集めている。ロッテは11月9日、佐々木のポスティングシステムによるメジャー移籍を承認したと発表した。入団時からメジャー志向を明らかにしてきた「令和の怪物」がいよいよ海を渡る。「4球団競合」と当時話題となった佐々木朗希の「ドラフト」を今改めて振り返る(この記事は「AERA dot.」で2019年10月23日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。
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10月17日に東京都内で開かれたプロ野球の新人選択(ドラフト)会議。蓋を開けてみれば、1位指名は意外な展開だった。
高校生最速の球速163キロを誇る佐々木朗希(岩手・大船渡高)は日本ハム、楽天、西武、ロッテと4球団が競合し、ロッテ・井口資仁監督が当たりくじを引いた。完成度は高校生ナンバー1の呼び声高い奥川恭伸(石川・星稜高)はヤクルト、阪神、巨人と3球団が競合。最初にくじを引いたヤクルト・高津臣吾新監督が交渉権を獲得した。
佐々木は6球団以上の競合も予想されていたが、セ・リーグで指名した球団はなかった。同じく競合が予想された森下暢仁(明大)は広島の単独指名。中日の単独指名とみられた高校通算55本塁打の石川昂弥(愛知・東邦高)は、中日、オリックス、ソフトバンクと3球団が競合指名し、結局、中日がくじを引き当てた。
1位指名の舞台裏をあるスカウトが振り返った。
「佐々木はパ・リーグ向きの投手だと思う。潜在能力は底知れないけど線は細いし、どういう投手になるか想像できない。セ・リーグは奥川みたいに総合力が高くてまとまっている投手を好む傾向がある。石川が3球団競合したのは右の長距離砲に希少価値があるということ。1位指名の価値は十分にあると思います」