
毎月分配型は新NISAでは買えない。本誌も勧めたことはない。資産形成期には、分配金を再投資してくれる投資信託のほうが複利で増え、効率がいいからだ。
ただ、毎月分配型を完全否定しているわけではない。リタイア後に、毎月少しずつ分配金の形で取り崩しながら運用を続けたいといったニーズには合うと考える。
8月5日、世界的に株価が暴落した。今後も下落局面はあるだろう。大きく上がりも下がりもしない相場が数年続く可能性もある。
「そんなときにも『長期投資なんだ』というメッセージは出し続けようと思っています。株価は常に変動しますし、暴落することもあるでしょう。
でも途中でつみたてをやめないでほしいです。頭ではみなさん理解していると思いますが、感情の問題は別です。
株価が大幅に下がるのを目の当たりにすると『本当に大丈夫かな』と不安になる方もいらっしゃるでしょう」
俺たちのeMAXIS
ここで筆者は「三菱UFJアセット公式の、投資家同士が交流するコミュニティーサイトを立ち上げてみては?」と言った。
「ファンサイトをやってみたい気持ちはあります。SNSでは、うれしいことに『俺たちのeMAXIS Slim』と呼んでくださる方がいる。
今は、そんな仲間をどうやったら増やしていけるかを考えています。市場の様子を見ながら臨時のファンミーティングを開催することも考えています」
2024年12月には、確定給付型の他制度を併用する場合(公務員を含む)のiDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額が月1万2000円から2万円に引き上げられる。
12月中旬〜下旬に発表される2025年度の税制改正大綱では、iDeCoの制度そのものの改正も予想される。
この8月には金融庁や投資信託協会などからiDeCoの改正に対する要望も出された。三菱UFJアセットがiDeCoに求めることは?
「iDeCoの限度額をもう少し引き上げてほしいです。あとはキャッチアップ拠出(一定以上の年齢の加入者が使える、追加的な拠出枠)ですね。
収入が少ない20代は投資する余裕がなくても、50代になれば、あと10年、20年の収支状況が見えてきます。その時点での余裕資金を投資に回せる仕組みが必要です」
取材・文/大場宏明、中島晶子(AERA編集部)

編集/綾小路麗香、伊藤忍
『AERA Money 2024秋冬号』から抜粋
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