25倍ズームになった高速1.0型センサー搭載ブリッジカメラ

 RX10シリーズの3台目は、35mm判換算で24~600mm相当F2.4~4.0のZEISSバリオ・ゾナーT*という大口径光学25倍のズームレンズを搭載している。24~200mm相当だった前の2モデルよりズーム倍率が上がったため、全域F2.8通しではなくなっているが、広角側ではやや明るくなり、望遠側の600mm相当でもF4.0と十分の明るさを維持している。
 撮像素子はRX10Ⅱから踏襲。高速読み出し可能なメモリー一体1.0型積層型Exmor RS CMOSで、電子シャッター時には3万2000分の1秒という高速シャッターを実現、最高約14コマ/秒、AF追従でも約5コマ/秒で撮影可能だ。その恩恵は動画撮影においても生かされていて、4K動画記録だけでなく、スーパースローモーション動画記録が可能だ。このあたりの性能はRX10Ⅱを踏襲している。
 動画撮影機能の充実が目立つカメラだが、実際に鏡筒に手を添えフォーカスリングとズームリングや絞りリングを送りながら、235万9296ドットの有機ELファインダーで被写体を狙ってみると、スチルカメラとしても十分に上質であることがわかる。

207mm相当での撮影だが、拡大していくとカラスの羽が解像していることがわかる。遠景でやや二線ボケが見られるが超望遠と考えれば許せる範囲●75.8mm時(207mm相当)・絞り優先AE(絞りf8・250分の1秒・-0.3補正)・ISO100・AWB・RAW
207mm相当での撮影だが、拡大していくとカラスの羽が解像していることがわかる。遠景でやや二線ボケが見られるが超望遠と考えれば許せる範囲●75.8mm時(207mm相当)・絞り優先AE(絞りf8・250分の1秒・-0.3補正)・ISO100・AWB・RAW

デザイン
基本的なデザインは既存のRX10シリーズを踏襲しているが、レンズの高倍率化により若干大きくなり、3割ほど重くなっている。携行性は標準ズームをつけた一眼レフと同じくらいある

使用感・操作感
起動とAFの速さで、とっさのシャッターチャンスも逃すことはないだろう。ボタン類をカスタマイズし使用頻度の高い機能を割り当てることで、設定の変更等も手早くできる

描写性
1.0型とは思えないほど解像感のある描写。ズーム全域において嫌みのないボケ方。ソニーカメラ専用のCapture One Express 9(無償)も使えるので、RAWで撮影しても楽しい

◆増田雄彦

*  *  *

●レンズ:ZEISSバリオ・ゾナーT*13群18枚(AAレンズを含む非球面レンズ6枚)。8.8~220mm(35mm判換算24~600mm)・F2.4~4.0●最短撮影(レンズ先端から):ワイド端:約3cm、テレ端:約72cm●手ブレ補正:光学式。動画撮影時は光学+電子併用で回転方向対応●撮像素子:有効約2010万画素。1.0型(13.2×8.8mm)、Exmor RS CMOS。総画素数:約2100万画素●液晶モニター:3.0型(4:3)、122万8800ドット。チルト式:上に約107度、下に約42度●シャッター:メカ(レンズ)シャッター:1/2000~30秒(絞りf8以上。絞り開放では上限1/1000秒)。電子シャッター:1/3万2000~30秒●撮像感度:オート、ISO100~1万2800(拡張で ISO64/80)。マルチショットNR時で最高ISO2万5600●動画撮影機能:3840×2160(4K)/30p/24pなど●記録媒体:メモリースティック デュオ(PROデュオ、PRO-HGデュオ対応)、SDメモリーカード(SDHC/SDXC、UHS-Ⅰ対応)●通信機能:NFC、IEEE802.11b/g/n●大きさ・重さ:132.5×94.0×127.4mm・約1095g(バッテリーとカードを含む)●価格:オープン(実売18万230円)