「3強」の残り1校の駒澤大では、佐藤圭汰(3年)の動向が注目される。洛南高校時代から全国的に名を馳せ、1500m、3000mの高校日本記録保持者でもある“怪物”だ。駒澤大ではスーパールーキーと騒がれた1年時、出雲で区間賞、全日本で区間2位(区間新)の走り(箱根は欠場)。2年時は出雲、全日本で区間賞(全日本は区間新)も、自身初の箱根は3区で区間2位の走りながら順位を落とす不完全燃焼のレースとなった。
迎えた今年は新エースとして期待されているが、夏のアメリカ合宿帰国後の9月に恥骨骨折が判明して出雲は欠場。全日本はエントリーされてはいるが、出走するかは不透明だ。それでも箱根には間違いなく出走するはず。身長184cmのダイナミックな走りは沿道のファンを一瞬で惹きつけるものがあるだけに、是非とも万全のコンディションで襷リレーに加わってもらいたい。
“史上最強の留学生”の称号を得ているリチャード・エティーリ(2年)も注目されるランナーだ。イェゴン・ヴィンセントと入れ替わる形で東京国際大に加わると、1年時からトラック記録を次々と更新する衝撃の走りを連発。現在の10000mの自己ベスト(27分06秒88)は、佐藤圭汰の記録を20秒以上も上回り、その10000mに加えて、5000m、20km、ハーフマラソンの日本学生記録保持者でもある。
昨年の箱根予選会でまさかの転倒アクシデントがあり、チームも予選敗退。今年の箱根予選会も脇腹痛で失速して個人11位に終わったが、個人としてのポテンシャルは計り知れないものがある。ハマった時の爆発力はどれほどのものか。我々は“衝撃の箱根デビュー”を目の当たりにする。コンディションさえ万全ならば、その可能性は大きいはずだ。
さらに注目したいのが、創価大の吉田響(4年)だ。東海大1年時に箱根5区の山登りを任されて区間2位と好走した後、3年になって創価大に編入したランナー。昨年度は出雲で5区区間トップ(チームが失格で参考記録)、全日本で5区区間賞の走りを見せた後、箱根では2年ぶりの5区を走るも低体温症の影響で区間9位と力を発揮し切れなかった。