「普通」にこだわってしまう息子
今回、私は足が不自由な息子の話をしました。高2の息子は、普段私が外で自分の話をすることを嫌がるのですが、事前にイベントの趣旨や私が話したいと思っていることを相談すると、このワークショップに関してはすべてOKでした。(もちろん、この原稿も事前にチェックしてもらっています)
内容は、ざっくり言うと、息子が「普通」を目指して頑張りすぎてしまうことです。息子は幼少期から通常学級で学び、健常者に囲まれて育ってきました。学校は常に配慮してくださり、足に負担がかからない方法を一緒に考えてくださっています。でも、息子のモットーは「なるべく障害がわからないように」であり、小学生の頃から配慮を極端に拒むのです。車いすや装具を使った方が楽な場面でも、頑なにみんなと同じスニーカーを履きたがり、つま先の皮がむけてしまったことも何度もありました。痛い思いをしても「普通」にこだわる彼の理想やプライドは、母親の私からすると生きづらそうに見えるのですが、本人はその方が「心が楽」なようです。そんな話をさせていただきました。
東ちづるさんは、ワークショップの最後に「このイベントを開催する必要がない社会になってほしい」と仰っていました。インクルージョンはお互いを知って認め合うことから始まります。Get in touchの「まぜこぜ」の理念をこれからも応援していきたいです。
※AERAオンライン限定記事