「同じ学校から2人は受からへんよなあ」
そして、とうとうきました最終面接。女子で残っていたのは3人。そのうちの1人が有働でした。待合室で話しているうちに「どこの大学?」「神戸女学院」「え? 同じ大学やん?」と。有働とは同じ大学だったのですが、私は2年留学して帰ってきたところだったので、同級生はすでにみな卒業しひとりぼっちの孤独な就職活動でしたから何だかうれしかった。時代は石原真理子、ワンレンボディコンが大はやりの時に、私たち2人はショートカットでなんとなく似ていて(笑)、すぐ仲良くなりました。有働はまさに現役でしたからマスコミ就職活動界隈のことをいろいろ教えてくれました。「同級生で同じゼミの笛吹雅子っていう子がいて、マスコミ、受けるとこ受けるとこ全部受かってな、もう日テレに決まってんねん」と。私は「えー! 同じ大学にそんな人も??」とびびりまくり。いつでもどこでもぶっちゃけキャラで迫力の有働。その頃からちっとも変わりません(笑)。秋から始まった新しい番組もがんばってな!(独り言)
そして、そんな中での最終カメラテストです。カメラの前で1分間自己紹介する、というような課題でした。自己紹介なんて基本の基じゃないですか? それがさ、何百回も練習したはずなのにカメラの前に座ると緊張マックス。あれれ? 声は上ずるし、言い間違えるし、何を言っているんだか途中でよくわからなくなるし、もう大パニック状態で。あまりにひどすぎて面接官の方があわれに思ったのか「武内くん、もう一回やってみようか」とやり直させてくれたのを覚えています。最終に残っているメンツの前でのやり直し。恥ずかしくて、あーあやっちまった。もうだめだ、絶対だめだーーーと確信する私。がっかりでしたけれど、落ちたら落ちたでまあそれも人生かと。
そして面接終了後、有働と「同じ学校から2人は受からへんよなあ。けどまたどっかで会おな〜!」って言い合ってお互いのノートに連絡先を書き合って別れました。
ふたを開けてみれば同じ大学から2人とも採用となり同期として入局することになったのです。私のことを「とーちゃん」って呼ぶのは今でも有働だけ。
こうしてこの年、神戸女学院大学は女子アナ大当たり年となり、NHK2人、日テレ1人、合計3人の女性アナウンサーが爆誕したのでした。そして人生は続く〜。