専門家「ボートマッチは決め手になってはいけない」

「一般化は進みましたが、ヨーロッパのように政党が公表した政策集ではなく、メディアが行った候補者アンケートに基づいているという点では、ボートマッチの基準が定まらないという問題があります。各メディアが別々にアンケートを実施して、それぞれ独自にボートマッチを作成するため、メディアごとに違う結果が出てしまうわけです」

 たしかに、比べてみると質問の内容も数もバラバラだ。ボートマッチを始めるために、まずメディアを選ぶところから始めなければならない。

松本教授はボートマッチの使いやすさを認めつつも、

「現在のボートマッチは、“判断の一要素”とするにはよいが、明確な判断基準として投票の決め手になってはいけない」

と指摘している。

「昨今、投票率の低下が叫ばれています。SNSを活用する若者などが投票に行く“入口”としては有用ですが、マッチング=投票と直結するのは感心しません。選挙はいろいろな政策を掲げる人がいます。頭を整理したり、選択を後押ししたりするような使い方は適当かもしれませんが、マッチングしたから選ぶというのではなく、現物の候補者も確認しましょう」(松本教授)

 ボートマッチは、手軽に自分の考えと近い候補者を知ることができる面白いサービスだが、投票の際は「ネットでそう出たから」ではなく、いったん立ち止まって考えたいところだ。

 (AERA dot.編集部・小山歩)

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