誰もが知る日本人に
それまで大谷がMVPを獲得しても、二刀流として数々の偉業を達成しても、あくまでもベースボールおよびスポーツの枠組みを出ることのなかったプレゼンスは、この一件で皮肉にも全米のお茶の間に到達した。
これ以後、ロサンゼルスから遠く離れたシカゴのコメディ・クラブでも大谷や水原の一件をジョークにするコメディアンが増えた。観客もそれに笑い声を上げることが、このニュースが大衆に届いたことの何より大きな証であろう。
そして、その背景には当然、ベースボールというアメリカの古き良きカルチャーを先導する日本人プレーヤー、大谷翔平へのリスペクトが存在する。
ジョークとして成立するまでの「存在感」と大衆からの全国的な「リスペクト」を集めた大谷翔平というベースボールのスーパースターは、今シーズンもグランドでホームランを量産し、お茶の間でも少しずつその「声」を拡大している。
(サク・ヤナガワ スタンダップコメディアン)