TOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが音楽や映画、演劇とともに社会を語る連載「RADIO PAPA」。今回は韓国映画「破墓/パミョ」について。
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「もともと韓国では山ひとつがお墓になるんです」
長い付き合いの映画プロデューサー、李鳳宇さんに教えてもらった。
「破墓/パミョ」は、その墓を巡るミステリーである。
葬られてはならない場所に埋められてしまった先祖が不穏に蠢いている。これは破墓(墓を別の場所に移す)しかない。
墓の反乱を収めるため、墓地の吉凶を見る風水師(チェ・ミンシク)、お祓いをする巫堂(キム・ゴウン)、改葬を仕切る葬儀師(ユ・ヘジン)らが集められた。
彼らが山の墓地に合流するなり、「邪悪なものたち」がひたひたとあたりに迫り、迷信とリアルの狭間での絶妙な綱渡りに手に汗を握るストーリーが始まる。
風水師役のチェ・ミンシクは、「シュリ」「オールド・ボーイ」などで言わずと知れた韓国の国民的俳優である。彼にとっては初のオカルト映画出演となったが、「科学と霊的なるものを合体させ、エンタメに仕上げて新しい世界を構築する。オカルトの面白さはそこにあるんじゃないか」と言った。