アエラ臨時増刊「サザエさん2024 秋」:昭和20~40年代に描かれた漫画「サザエさん」173本を、「喫茶店と屋台」をテーマに厳選収録。定価550円(税込み)

リラックスする場所

 ノリスケさんは原作漫画では新聞記者。昭和の大スター、美空ひばりの母にインタビューをするなど、意外に「できる男」だが、喫茶店では仲良しのマスオさんとおしゃべりしたり、お店の人にいたずらを仕掛けたり、好奇心のままに新しい店を開拓したり、ひたすら喫茶店を楽しんでいる。昭和のサラリーマンにとって喫茶店は「仕事をする場所」ではなく「休憩する場所」「リラックスするための場所」だった。現代の若者たちも、その「特別感」に魅力を感じているのではないだろうか。

 コロナ以降、リモートワークが広がり、カフェというと、「仕事をする場所」のようなイメージを持つ人も多いかもしれないが、たまに喫茶店に入ったなら、ノリスケを見習って、仕事を忘れてボーッと過ごしてみてはいかがだろうか。その後の仕事がきっとはかどるはずだ。実は「できる男」、ノリスケさんのように。(編集部・工藤早春)

AERA 2024年10月21日号

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