青木さやかさん(撮影/中西正男)

タレントでは味わったことない“ナメられ方”

 このイベントを始めてから、移動中も常に誰かと打ち合わせ的な電話をしていますし、人付き合いも本当に大切なので、いろいろな社長さんとの交流もグッと増えました。

 タレントなので最初の入りは入りやすいというか、皆さん知ってくださっているんですけど、それを仕事としてつなげていくことがいかに難しいか。いかにしてタレント・青木さやかのファンではなく、人間としての私自身のファンを増やすのか。それを続けないと、この試みは難しい。でも、それを続けるのも難しい。あらゆることと向き合っています。

 一人のスタッフとして交渉にあたっていると、タレントの時では経験したことのない場面もありました。“ナメられる”というと言葉がキツいのかもしれませんけど、軽視されているというか、やっぱりタレントというのはスタッフの皆さんがとても気を遣ってくださるというのを改めて理解しましたし、それに甘えてるようではだめだとも思いました。

 今まで「スタッフさん、大変なことを本当にありがとうございます」と口では言ってましたけど(笑)、今は心底、本当に心底そう思うようになりました。あと、タレントとして呼ばれた時にどう自分が立ちまわることが求められているのか。それも“呼ぶ側”をやって、さらに分かるようになりました。

 これでもかと、自分でも想像以上に心のツボを刺激されています。きれい事じゃなく、イヤになるくらい足つぼマッサージみたいに痛い時もありますけど(笑)、その分、自分の何かがほぐれている。改善されている。そうも感じますし、いかに自分がそういう部分を見ずに生きてきたのかを思い知らされてもいます。

 まだ始まったばかりですけど、幸い、今のところ、お客さんも、自治体も、スタッフさんも来てくださった方もみんな喜んでくれている感じがするんです。

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