さて、投資家の需要はひとまず置いておいて、企業の業績はこれまで伸び続けていた。もちろん衰退する企業はあっても、日本全体ではこれまで経済成長し続けてきた。

 この経済成長は、人口の増加に支えられてきた部分も大きい。人が増えれば当然経済規模は大きくなる。ところが、日本はこれから「人口減少社会」が本格化する。

 経済成長には、人口以外の要素もあるが、人口が減少することで企業の売り上げや株式市場の動向に影響が出るのは避けられない。過去とまったく違うことが起きても何ら不思議ではないのだ。

 それなのに、経済が成長し続けることを前提に、「長期的に株価は上昇する」と投資をすすめるのはあまりに乱暴な推論ではないだろうか。

 次回は、企業の業績と投資家の需要という二つの点で、今後の人口減少が、どのように株価や企業の成長に影響を与えるかについて考えてみようと思う(後編へ続く)。

AERA 2024年10月14日号

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