両親ともに料理が好きで、二人がつくった食事を口にするたびに「本当においしいな」って。東京で暮らすようになり、外食でおいしいものを口にする機会は増えましたが、「私の“原点”はここだ」と心から思いましたし、離れて暮らしても味を忘れることはないんだな、と。いまも大好きな味です。

 撮影現場から実家に戻り、両親と食卓を囲むと、懐かしさがこみ上げるとともに、「親の存在って偉大だな」とつくづく感じました。

――撮影は、学生時代を過ごした福岡市内でも行われた。

橋本:かつて通っていた学校からの帰り道の近くで撮影することもあり、懐かしかったです。もちろん、通っていた学校のものではないけれど、制服姿で天神の街を歩くこと自体がとても感慨深くて。いまはもうなくなってしまった建物もあるけれど、懐かしさと新しさ、その両方を感じながらの撮影でした。「かつての友達に会うかもしれない」と思うような場所でも撮影をしていました。撮影が休みの日には、友達を誘ってご飯に行ったりもしました。

外食でリフレッシュ

 いまは、大阪でのシーンを中心に撮影しているので大阪暮らしですが、おいしいものがたくさんある街なので、関西出身の友達に連絡を取り、おいしいお店を教えてもらうことも。撮影が佳境になると難しいですが、当初想像していたよりは、外食を楽しめている気がします。撮影が早く終わった日にマネージャーさんや時には友達とご飯を食べに行ったり、飲みに行ったりすることがリフレッシュになっています。

 大阪の方々は、人と人との距離感が近くて、それが面白くて。私の顔を見て「なんでいるの?」と声をかけられたり、“橋本環奈のそっくりさん”と思われて「似ているね」なんて言われたり。「ありがとうございます」と、元気よく答えていますよ! 明るく話しかけてくださる感じが私はとても好きで、「居心地がいい街だな」と感じながら、いまは毎日を過ごしています。

(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2024年10月7日号より

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