正門良規(まさかど・よしのり)/1996年生まれ、大阪府出身。今年5月、Aぇ! groupのメンバーとして「《A》BEGINNING」でCDデビュー、10月9日に2nd single「Gotta Be」リリース。俳優としても活躍し、10月8日から舞台「Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド~虚空に触れて~」主演、今冬公開の映画「グランメゾン・パリ」出演(写真:品田裕美)
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 Aぇ! groupのMC担当としての穏やかで優しい存在感と、ギターやパフォーマンスで見せる骨太さとでファンを惹きつける。舞台にも映画にも活躍が続く正門良規が、「大事にしたい」と語るものは。AERA 2024年10月7日号より。

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 5月にデビューするや、オリコンの上半期新人ランキングで1位を獲得したAぇ! group。10月9日にリリースするセカンドシングル「Gotta Be」は、メンバーの正門良規が「すごくキャッチーだし、ほんまに疾走感っていう言葉がぴったり」と語るように、1回聴けば耳に残るロックナンバーだ。

「セカンドシングルだからこそ、すごく意味のある曲やなって思っていて。歌詞のメッセージも含め、より音楽にフォーカスした自分たちの思いを歌っているので、1曲通して感じていただけたらうれしいなと思います」

 特に気に入っている歌詞は、「2サビ。2番は実はラップがサビなんですよ」。たしかに「不協和音のような協和音」など、音楽性にとどまらず、グループとしても、個性がバラバラにもかかわらず一体感のある「Aぇらしさ」を思わせるフレーズがちりばめられている。

 MVも見ものだ。すでにグループのYouTubeチャンネルで公開されているが、「よりMVで疾走感が増されたな、スピード感が出たなって感じがするので、大好きです。特にダンスシーンは見てほしいですね。(間奏の)正門が飛び出してくるところとか。ほんまに見てて面白いとこいっぱいあると思います」。

「楽しそう」を大事に

 その「Gotta Be」の歌詞にあるとおり、「一切合切織り込んで」「混ぜ合わせ、選びとった」音楽の多様性はAぇ! groupの大きな魅力となっているが、バンドで見せる、いい意味でアイドルの枠を超えた演奏力も武器のひとつ。いずれバンド曲でシングルを出したいという思いも「ありますあります。企んではいますよ」というから楽しみだ。

「俺がいちばん大事にしたいのは、なんか楽しそうやなこの人たち、っていうこと。Aぇ全部やけど、特にバンド中はそう思うかな」

 ほんわりとさせる言葉や口調とは裏腹に、正門がライブで見せる速弾きのギターソロは圧巻で、ロックファンをも魅了している。よく「男は女性を愛するようにギターを愛する」と聞くが、「みんな言うね。名前つける人とかいるって言うじゃないですか。俺はよくわからへん。それ言ってる自分が好きなだけやと思う」と笑った。自分なりの愛し方は、「ちゃんと弾いてあげること。ギターを数持たへん、っていうのも、僕のなかでは愛情表現のつもり。やし、やっぱりいろんな曲があるのがアイドルで、バンドやるうえで絶対避けては通れないことなので、1本でいろいろできるものがいいんですよね」。

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