
衣装は念入りに仕立てられる。天皇誕生日の際に、愛子さまが着用した淡いピンクのローブモンタントは襟と袖口にオーガンディを重ねた上品な仕立てだ。
欧子さんが、愛子さまの帽子をデザインしていた時には、まだローブモンタントが仕上がってはいなかった。後日完成したドレスをみると、襟元と袖にオーガンディを重ねたデザインがされていた。愛子さまには、ふんわりとしたデザインがお似合いになる――。欧子さんは、モンタントと調和するようにオーガンディを使い、大きなリボンのデザインを施した。
今回、清楚なピンクの装いとよくなじんでいたのが、愛子さまのメイクだ。
長年、パリコレの取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんは、愛子さまの表情がより柔らかかった理由について、アイメイクにポイントがあったのではと話す。
「愛子さまのお顔は、きれいな卵形。目鼻立ちもお父さまの陛下に似た柔和な造形です。お姫さま顔に合わせた眉の線は、弓形を生かしつつ、眉尻を少し下げる事で、より自然な優しさが出ています」
表情をより明るくひきたたせたのは、目のきわから涙ぶくろにかけて入れたラメ入りの白いアイシャドーだという。
「ラメがキラリと光ってハイライト効果があります」(石原さん)
実際、最近の愛子さまの映像や写真を見返すと、目元には白いラメがうっすら入っている。
石原さんによれば、ここ最近は、愛子さまの「定番」のメイクなのだという。
興味深いのは、母の雅子さまをお手本にしつつも、しっかりと違いを出している点だ。
石原さんは、眉ずみやアイラインにこげ茶を使う点は、母の雅子さまと同じだと話す。
「ただし、雅子さまは目鼻立ちがはっきりなさったおつくり。お顔の道具が大きい分、しっかりと描いていらっしゃる。特に代替わりで皇后になられてからは、眉がより太く力強くなりました」
この12月に、愛子さまは22歳の誕生日を迎える。来春には、学習院大学も卒業予定だ。仲むつまじい天皇ご一家だが、愛子さまは着実にご自分のカラーを出しつつあるようだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)