■モー・ボーン 140試合 打率.300(24位タイ) 39本塁打(4位タイ) 126打点(1位タイ) 出塁率.388(21位) OPS.963(6位タイ) 

■アルバート・ベル 143試合 打率.317(8位) 50本塁打(1位) 126打点(1位タイ) 出塁率.401(12位) OPS1.091(2位)

■エドガー・マルティネス 145試合 打率.356(1位) 29本塁打(14位) 113打点(4位) 出塁率.479(1位) OPS.1.107(1位)


 総合的にはボーンよりもベルとマルティネスが上回っているように思える。だが、ベルはグラウンド外での素行が悪かったことで記者たちから嫌われており、数字云々の問題ではないだろう。そんな中、マルティネスは首位打者となり、驚異的な出塁率をマークするなど打撃成績ではボーンを凌駕しているが3位止まり。なお、当時は存在しなかった選手の総合的な価値を表す指標のWARではボーンが4.3だったのに対し、マルティネスは7.0だった。

 この年、ボーンは印象的な勝負強い打撃を見せており、それも選考の理由の一つとなったのだろうが、やはりマルティネスがDHだったことが票が集まらなかった大きな要因の一つだろう。

 その他では、デビット・オルティス(レッドソックスなど)も史上最高クラスのDHだった1人。メジャー通算20年間で2472安打、541本塁打、1768打点をマークし、マルティネスと同じく2022年に殿堂入りも果たしたスーパースターだったが、MVPが一度もなかったのも一緒だ。

 MVPの投票では2005年が2位、2006年が3位、2004年と2007年が4位と“惜しい”ところまでは何度か行っているが、2006年が最もMVPに値する数字だったように見える。結果的にMVPとなったジャスティン・モーノー一塁手(ツインズ)、デレク・ジーター遊撃手(ヤンキース)に次ぐ3位となったが、以下がそのシーズンの3人の成績だ。

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本塁打、打点の“二冠王”でもMVPに届かず