幼いころからアメリカでプロになることを夢見て練習を続け、高校卒業後ロサンゼルスに渡った。その街で、五輪3連覇を目指す[撮影:村松賢一/hair & make up:Taro Yoshida/costume:Nike SB]
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 東京五輪に続きパリ大会でも金メダルを獲得した堀米雄斗選手。狙うはロサンゼルス五輪での3連覇、そして唯一無二のスケートボーダーだ。AERA 2024年9月16日号より。

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──いま、25歳。アスリートとしては円熟期を迎える。4年後のロサンゼルスでの五輪3連覇にも期待がかかる。一方、競技スポーツとしてのスケートボードは世代交代の波が著しい。パリ五輪に共に出場した小野寺吟雲は弱冠14歳ながら、世界ランキング1位としてパリに乗り込んだ。より若い世代も含め、次々にスター候補たちが生まれている。

堀米「若い子の勢いはホントにすごくて、もうどんどん世代が変わってきています。そこで戦うのはやっぱりしんどいけれど、自分も身体が動く限りは負けないように戦っていきたいと思うし、頑張っていきたいです。ロサンゼルス五輪も狙います。自分は小さいころからアメリカでプロになることだけを夢見て、すべてをかけてやってきました。そして、18歳でロサンゼルスに渡って、20歳でプロになりました。思い出の場所、特別な場所で開かれるオリンピックです。代表チームに入ることがものすごく難しいことなので、まずはチームに入れるように。そのあと、チャンスがあれば金メダルも狙いたいですね」

──本格的にスケートボードに乗りはじめてから間もなく20年になる。堀米にとってスケートボードの魅力とは何か。そして、スケートボーダーとして目指すものは。

堀米「スケボーの魅力は何といっても、ボードに乗っていればいろんな人と交流できて、ボードひとつで世界にも行けること。それから、スキルとか技以外にもいろいろなことを教えてもらえます。人間的にも少しずつ成長できている。そんないろいろな力があるのがスケートボードです。

スケボーをより身近に

 自分が目指すのは……難しいな。唯一無二のスケーター、忘れられない存在になりたいですね。スケートボードの結果もそうだし、これからは次の世代に何を残していくかも考えていきたいと思っています。ひとつの大きな目標は、日本にプライベートスケートパークをつくること。単にパークをつくるだけじゃなくて、そこからいろいろなコンテンツを発信したり、若い子がチャレンジしたりできる場にしたいですね。イベントとかも、東京だけじゃなくて全国を回りたい。もっとスケボーのカルチャーが日本に根付くように、スケボーがみんなの身近になるように、活動していきたいと思っています」

(編集部・川口穣)

AERA 2024年9月16日号より

AERA 2024年9月16日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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