人生の一番のギフトである息子たち、いくつになっても子育てに終わりはないとも語るRIKACOさん。(写真は提供)
人生の一番のギフトである息子たち、いくつになっても子育てに終わりはないとも語るRIKACOさん。(写真は提供)

 でも、ふと、思うときもあります。私はこの3月で57歳になりますが、パートナーがいない姿を息子たちに長く見せてきています。言葉を交わし、食事をし、買い物に行く、そんな夫婦の普通の姿から学ぶことってあるのかもしれない。息子たちは優しい男性に育ってくれてはいますが、恋愛に対する考えやパートナーへの接し方等を育むことができただろうかと。唯一、私が息子たちにきちんと手本を示せなかったことなので。

――お子さんたちに向き合ってきたなかで、必ず訪れる子離れの時期。どんな思いでしたか。

 息子たちが幼稚園から高校を卒業するまで、夏の2カ月間を主にハワイで過ごしていました。日本のインターナショナルスクールに通わせていたので、長い夏休みに英語から離れて学習に支障が出ることを避けたかったんです。それで、語学力を鍛えようと、現地のサマースクールに通わせながら、家族での時間も大切にしていました。

 次男が高校3年の夏、大学は留学を考えていたこともあり、この時間は最後になるんだなと実感しました。毎年ずっと続けてきたことが来年からはもう必要ないと思ったときに、なんともいえない寂しさを感じ、胸がいっぱいになりました。もちろん、息子とはそんなことは話しません。夜、一人になって、涙があふれました。

 次男の成人式の日にも、写真を一緒に撮りながら、一つの区切りを実感しました。息子2人が成人したことに、本当にここまできたなと。自分もよくやった、褒めてくれる人がいたら嬉しい、とそれまでの時間が流れて、いろんな思いが一気に込み上げてきました。

――子育てを卒業された寂しさを、どう受け止めましたか。

 子どもという愛情の対象が離れていくと、ぽっかり穴があいて無気力になってしまうという話はよく聞きますが、誰かのために生きる、誰かに依存して生きるのは危ういことで、どんな時もまずは自分を軸にすべきだと思っています。そもそも自分が潤っていないと、相手に思いやりをもって接することはできないかなと。もちろん成長過程で子どもとの時間がなくなる悲しみや寂しさを感じることはあるでしょうけれど、自分の軸を大切にしていれば自然に乗り越えらえるもの。

 とはいえ、いくつになっても子育てに終わりはないと感じています。もう長男は28歳、次男は24歳になりましたが、今も相談にのったり、食事の気遣いをしたりと、母であることに変わりはありません。仕事柄、全く別の世界で生きているわけでもないので、最近も長男プロデュースの舞台を一緒に立ち上げましたし、次男のモデル業のマネジメントなどもやっています。相手が大人になると、ぶつかる瞬間も多いですね。小さいころのように、こちらの言うことをそのまま聞かせるわけにはいかず、話し合ってお互いの考えを理解して着地点を探す時間がいります。

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(構成/AERA dot.編集部・市川綾子)

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