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 共働きに猛暑に物価高…。幼い子どもを持つ家庭はどのように夏休みを過ごしているのか。AERA2024年8月26日号より。

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 明治安田生命保険が今年6月に実施した「夏に関するアンケート調査(20〜50代対象)」によると、夏休みに使う金額は平均8万2964円と昨年から1万円以上増え、3年連続増加。一方、夏休みの予算を「減らす人」が昨年より増加し、減らす額も平均2万7656円と昨年より約3千円多かった。減らす人の6割が「物価高騰により家計が厳しくなった」と回答した。過ごし方では、国内旅行が56.9%とダントツ。海外旅行は円安の影響か、昨年より減少の7.3%だった。

 つまり「物価高でもお金を使う人」と「物価高だからお金を使わない人」に二分しているのだ。

 この結果について、明治安田総合研究所のエコノミスト、前田和孝さんはこう見る。

「定期的に旅行をしている人は物価高や円安で旅行費用が高騰しても旅行をするが、円安で海外旅行のハードルが上がったため、国内旅行に切り替えたという人が多いのでしょう。半面、これまで定期的に旅行をしていなかった人は、物価高で旅行以外の過ごし方を選ぶのでは」

 夏休みに使う金額の増加については、ネガティブな面とポジティブな面があるという。

「物価の上昇率は鈍化しているものの、まだ高い。宿泊費も高騰し、夏休みの予算が増加せざるを得ない。これがネガティブな面。ポジティブな面としては、33年ぶりに賃上げ率が5%超の高水準と報じられている通り、大手企業に勤務の人を中心に、賃金アップで予算を増やせるようになった」(前田さん)

 前田さんが着目するのは、過ごし方の2位に「遠出をせず近場でショッピングなど(22.1%)」、8位に「推し活(6.9%)」が入った点だ。

「楽しみ方が個々それぞれ、多様化してきていることが示されている」と前田さん。かつては「海外旅行=いいなぁ」「どこにも行けない=しょんぼり」といった図式が、多くの人の共通認識としてあった。だが、それが変わってきているという。

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がっつり子どもに向き合う日を作る