また、東日本大震災では、沿岸地域の医院や薬局が津波で流されてしまったため、「健康保険証やおくすり手帳が手元にない」「薬の名前や種類がわからない」といった事例も数多く報告されました。

一方で、医薬品供給が不十分な状況下、すべての患者を受け入れていた宮城県のある市立病院では、カルテ・薬歴がない患者の診察時に、唯一の情報源であるおくすり手帳を、総合的な医療情報共有ツールとして活用したそう。
こうしたことからも、健康保険証や免許証のほかに処方箋やおくすり手帳のコピーを、防災グッズとして用意しておくと安心ですね。

健康保険証、免許証、おくすり手帳のコピーも重要な防災グッズ
健康保険証、免許証、おくすり手帳のコピーも重要な防災グッズ

■あっ!これは便利という防災グッズ

このほかにも「あって助かった!」というものがあります。
それは「携帯トイレ」「液体歯磨き」「ラップ」などです。
●「携帯トイレ」
地震によって配水管や下水道が破損している間は、復旧までにトイレが使えないため、被災生活時に役立つ「携帯トイレ」は必需品です。
●「液体歯磨き」
水道が止まってしまった場合に備えて、1人1本を用意しておくとよいでしょう。
●「ラップ」
思わぬケガに見舞われた際にも止血の応急処置に役立ちますし、絆創膏としての役割も果たしてくれます。また、食事が不安定な状況下では、食品保存にも威力を発揮してくれるでしょう。
●「女性」「幼児」の場合
生理用品や多めの下着、乳幼児がいる場合は、おむつやおしりふき、母子手帳のコピーもとっておきましょう。
●「高齢者」の場合
先ほどご紹介した「お薬手帳」や処方箋のコピーをはじめ、常備薬、大人用おむつ、老眼鏡、折り畳み杖などを用意しておきましょう。

このように、性別や年齢層によって用意しなければならないものは様々。
いざという時に役立つオリジナル防災グッズをしっかり用意しておけるよう、家族や職場で話し合う機会を設けることも大切ですね。

── 早いもので、震災から5年です。
毎年この日が近くなると防災について考えさせられますが、これを機に周囲を巻き込み、防災を見直す機会としたいものです。
何より、そうした取り組みを通して、被災地の復興をみんなで一緒に心から願いましょう。

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