猛暑に見舞われた日本列島。夏休み真っただ中で、レジャーや帰省などお出かけする機会も多い。普段と違って気を付けるべきことは何か。「夏休みスペシャル」として、今読みたい記事をあらためて紹介する(この記事は2024年5月3日に配信した内容の再掲です。年齢、肩書等は当時のままです)。
【写真】車のタイヤがパンク…なぜ悪質ロードサービスに引っ掛かってしまうのか
* * *
車のロードサービスをめぐるトラブルが急増している。昨年度、全国の消費生活センターなどに寄せられた相談件数は過去最多となった。なかでも目立つのが、若者がトラブルに巻き込まれるケースだ。
「1980円から」のハズなのに
「『バッテリー上がりは1980円から』と書かれていたのに、5万円を請求された」「断ろうとしたら、高額のキャンセル料を提示された」――。悪質ロードサービスをめぐる相談が相次いでいる。
外出先で車のバッテリーが上がってしまった首都圏在住の20代男性は、スマホでロードサービスを検索。「1980円からバッテリートラブルに駆けつけいたします」というサイトを見つけ、申し込んだ。
だが、業者はやって来るなり、金額欄が空欄の契約書を男性に手渡した。説明もなく、書類に「レ点」を入れて同意するように迫った。男性は「そんなものか」と思い、言われるまま従った。業者は救援車から電気を供給する“ジャンピングスタート”でエンジンを始動。バッテリー交換は行われなかった。
にもかかわらず、提示された金額は総額5万円。請求書には基本料金1980円に加え、緊急対応の費用や作業費などが記載されていた。男性は「高い」と思ったが、車は動くようになったので何も言えず、クレジットカードで支払った。帰宅して親に相談すると、やはり「高すぎる」という。男性は業者に返金を求めている。
日本自動車連盟(JAF)によると、最も多いロードサービスの依頼は「バッテリー上がり」で、全体の約4割を占める(2022年度)。次に多いトラブルは「タイヤのパンク」だ。
タイヤのパンク「作業キャンセル」でも22万円
運転中にタイヤがパンクしてしまったという東海地方に住む20代男性のケースは、請求額はさらに高い。近くのコンビニの駐車場に車を移動し、スマホで「タイヤのパンク」を検索。「格安料金で修理します」という業者を見つけ、修理を依頼した。
ところが、現場に到着した業者は「修理には20万円以上かかる」と言う。びっくり仰天し、「話が違う。キャンセルしたい」と告げた。
すると業者は「キャンセル料として15万円いただきます」と言う。そんな金額は不当だと男性は訴えたが、業者は「キャンセル料を支払うまでは帰らない」と強硬な態度を見せた。
結局、男性はキャンセル料15万円のほか、料金を支払うまでに要した時間の加算として延長料金7万円、合計22万円を支払った。
「勤め先や親に言うぞ」
業者があからさまに顧客を脅したり、虚偽の説明をしたりするケースもある。
首都圏に住む10代の社会人男性はドライブ中、車がエンストしてしまった。車を路肩に止めて、ネットで検索、「最短5分で駆けつけます。料金は2万円から」という業者を見つけて依頼した。