元局長に対するあまりに厳しい意見に、自民の県議からは、
「告発相手のプライバシーに触れているから、元局長のプライバシーが守られる必要はないというのは暴論ではないか」
という発言もあった。
また、データをすべて公開することで「情報公開条例違反」や「民事上の損害賠償請求」などにも問われかねないとする意見もあった。
その後、論議が重ねられたが、維新の2人の県議が「すべて公開」の主張を変えなかったため採決となり、4対2で元局長の申し入れを受け入れることになったという。
「もう少し待ってくれれば…」
元局長と連絡をとっていた元県幹部がこう悔やむ。
「公用パソコンを私的に使ってはいけないのは当然ですが、緊急なことや個人的なメモを残すなどは、誰しもあるはずです。彼は県民局長という立場で部下も多数おり、様々な情報に触れ、対応する立場にあった。内部告発に関する情報提供者の割り出しや報復人事などを気にしたのではないか。私も幹部だったからわかるが、部下の不祥事や、表に出ると県政が大混乱するようなトラブルなどがあり、事情があって秘密裡に対応したこともあった。そういう内容は公用パソコンに残している場合もある。彼も同様の経験があったようで、『表に出ると頑張っている県職員の人事にもかかわり、迷惑をかける』と言っていた。だから自費で弁護士を雇ってまで、パソコンのデータを出さないように求めたのだと思う」
そして、7月初めに元局長と連絡をとった時の様子をこう語った。
「彼は『百条委員会がかなり強硬だが、すべてのデータを出すのはこらえてほしいと旧知の県議らにこっそりお願いした』と言っていた。県民局長だったのですから、情報網も広い。8日に百条委員会の臨時会が開かれることも把握しており、データを出せという結論になることを悲観していた。もう少し待ってくれれば非公開とわかったのに」