チャールズ・ドーンズ。GM工場勤務で愛車はEVのボルト(写真:長野美穂)

ありのままの自分出せ

 第2次世界大戦中に生まれたメルビンは「オハイオ州立大学を卒業した母が専業主婦として3人の子どもを育ててきて、自分の学歴を仕事で全く活用できなかったことを、すごく後悔していたのを覚えている」と語る。

 また、ゼネラル・モーターズの工場で通算47年間勤務し、全米自動車労働組合UAWのメンバーでもある、カリフォルニア州在住、68歳のチャールズ・ドーンズは「自動車労組はカマラへの支持をすぐ表明すべき。彼女にとっては正直、きつい戦いになると思うから」と語る。

 ジャマイカ系の黒人の父とインド系の母を持つ移民2世であるハリスへの逆風は「女性と非白人には誰であろうと絶対に投票しないと最初から決めている人間たちだ」とドーンズは言う。

 全米で、ハリス人気はそれほど高くないと言われて久しいが、ドーンズは心配していない。

「テレビタレントとして有名になった犯罪者と競うために、トランプ流の派手なパフォーマンスを真似る必要はない。彼女は自分流を貫いて誠実にありのままの姿で勝負すればいい。検察官が、犯罪者が演出する土俵の上で踊る必要はないんだ」

 選挙当日まで100日を切った。ハリスが米国民にありのままの姿をどう見せるのかに注目が集まる。(文中敬称略)(在米ジャーナリスト・長野美穂)

AERA 2024年8月5日号より抜粋

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長野美穂

長野美穂

ロサンゼルスの米インベスターズ・ビジネス・デイリー紙で記者として約5年間勤務し、自動車、バイオテクノロジー、製薬業界などを担当した後に独立。ミシガン州の地元新聞社で勤務の際には、中絶問題の記事でミシガン・プレス協会のフィーチャー記事賞を受賞。

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