商品のイメージ(武州ガス提供)
商品のイメージ(武州ガス提供)

 トラウトサーモンの養殖は水温が20度以上になると育ちにくいとされる。都市ガスの原料はマイナス160度に冷やして液状の状態にした液化天然ガス(LNG)で、工場で海水を使って温めることで気体に変える。このときに利用した海水の一部をトラウトサーモンの水槽に入れ、水温の上昇を防ぐことができるという。

「効率性の高い養殖ができるかどうかを実証中です。実証事業を通じて育てたトラウトサーモンは、昨年に続いて今年も5~6月に水産会社を通じてスーパーなど向けに出荷しました。事業として本格参入するかどうかを現在検討しています」(広報担当者)

 ガス会社として培ってきた資産を生かして、水産資源など食糧問題の解決に貢献できないかを考えたことが、事業を始めたきっかけだという。

 この先、ガス会社がつくった食べ物を食卓で見かける機会は増えるかもしれない。土用の丑の日には、ウナギをほおばりながらそんなガス会社や社会の変化に思いを寄せてみるのもいいかもしれない。 

(AERA dot.編集部・池田正史)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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