2013年、日本シリーズを制した楽天のマウンドには田中がいた(中央)

今季200勝達成ができないときは

 楽天の投手事情を考えると、田中将も絶対的な存在ではない。先発陣を見ると、早川隆久、内星龍、藤井聖、岸孝之、ドラフト1位左腕・古謝樹に加え、ファームにポンセ、荘司康誠、瀧中瞭太が控えている。チームは交流戦で球団初の優勝を飾るなど、若手の台頭で生まれ変わろうとしている。

 ただ、過密日程になる勝負の8月以降はベテランの力が必要になる。その時に1軍復帰できるかどうかがポイントだろう。この時期に1軍のマウンドに復帰できないようだと、今季中の日米通算200勝達成は厳しくなる。

 田中将の今後の去就が気になるが、前出のスポーツ紙デスクは「今年200勝を達成できなかったとしても来年は楽天に残留するでしょう。年俸2億6000万円からの大幅減俸は免れませんが、チームも功労者として200勝を達成させたい思いはある。他球団でプレーすることは考えづらいですね」

 減俸となれば他球団もオファーを検討するだろうか。パ・リーグ他球団の編成担当に聞くと、田中将の獲得には否定的だった。

「楽天が放出しないでしょう。積み上げた実績を考えると、トレードや自由契約にすることは考えづらい。坂本にも言えますが、彼らは引き際を自分で決められるレベルに達した選手です。ダメだったら引退の覚悟を持って毎年プレーしている」

 一方、セ・リーグのスコアラーはシビアな見方を示す。

「各球団が若返りを図る中、現状の田中を見て獲得に乗り出す球団はないでしょう。過去の実績で抑えられる世界ではありません。それは本人も分かっていると思います。弱肉強食の厳しい世界ですから。もっとも、その競争をくぐり抜けて球界のエースとして活躍してきたので、このまま終わることはないと思いますよ」

 1軍のマウンドに戻る日はいつか。見事に復活した姿を見せてほしい。

(今川秀悟)

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