千葉県船橋市の花火大会。1983年の初開催以来、多くの市民に親しまれてきた=船橋市提供

なぜいま「燃えカス」が問題に?

「花火の燃えカス問題は昭和の時代からありました。なぜ今年、花火大会がこの問題で中止が相次いでいるのか、わかりません。花火の構造や打ち上げ方法が変わったわけでもありません」(河野専務理事)

 確かに、打ち上げ場所の近くに大きな駐車場やヨットハーバーがあると問題が拡大しやすいので、協会はこれまでも大会主催者に注意を呼びかけてきた。だからこそ、首を傾げる。

「もし、花火の燃えカスのみの問題で花火が打ち上げられないのであれば、東京の人口密集地で開催される『隅田川花火大会』は大問題になっているはずです」(同)

 河野専務理事は、「開催地の住民感情が関係しているのでは」と推察する。

 取材に、「4年ぶりの花火大会で住民の意識が少し変化したのかもしれない」と、話す自治体の職員もいた。

「毎年、花火大会が開催されていたころは、燃えカスが降ってきても、『いつものことだから』で済んでいたのかもしれません。コロナ禍の4年をはさみ、昨年は久々の開催だった。降ってきた『燃えカス』に改めてストレスを感じたかもしれません」(ある自治体職員)

 夏の花火は、老若男女を問わず楽しむことのできるイベントのひとつだ。

 どの職員も、「市民の期待が大きくて、花火大会はやりたいのですけれど」と、残念そうに訴えていたのが印象に残った。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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