合意文書に署名して撮影に応じる維新の馬場代表と岸田首相

「与党入りしなくても政策は実現できる」

 5月に馬場代表はポッドキャストの番組に出演し、「政策が実現するなら与党に入る選択肢は排除しないのか」と問われ、「そういうことです」と与党入りも辞さない考えを示した。馬場代表は昨年7月にも「維新は第2自民党でいい」と発言して物議を醸したが、懲りていない様子だ。

 この「与党入り」発言に吉村知事は反発。「与党入りしたら維新は消滅する。維新の独自の価値観、政策が大事。与党入りしなくても政策は実現できる」と馬場代表の発言を否定した。

 さらに食い違いが際立ったのは、自民党の裏金問題から生じた政策活動費の改革についての考え方だった。

「後ろからバンバン仲間を撃つな」

 自民党の政治資金規正法改正案について、馬場代表は、5月31日に岸田文雄首相との党首会談で、維新が求めた領収書の10年後の公開などを含む合意文書を交わしたことで、「100%、我が党の考えを丸のみした」と自画自賛し、衆院で改正案に賛成した。

 ところが、自民党が「(使途公開などは)今国会ではできない」と消極的になったことで、「約束が履行されない、最大限の力を使って自民党を攻撃する」(馬場代表)と参院では改正案反対に転じた。

 馬場代表は「うそつき内閣といっても過言ではない」などと岸田政権批判を展開したが、維新内部からは「合意書には今国会でと書いていない」「だまされるほうが悪い」と執行部批判の声が噴出した。

 党内で批判が高まる中、吉村知事は「総括する必要がある」と言い、6月26日、維新は政策活動費での対応について、党所属議員への説明会を実施することになった。

 説明会で馬場代表はいきなり、所属議員らから批判が相次いでいることに触れて、「この小さい集団でですね、後ろからバンバンバンバンと仲間を撃てば、すぐにこの政党はつぶれていく」と批判封じに転じた。

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