桜蔭/急こう配の坂を上がると、右手に新東館があらわれる(撮影/高野楓菜)

 地下1階に温水プール、地上1、2階に高校生の普通教室、3階に理科教室、4階には体育館が配されている。さらに、公道を挟んで向かい合う西館を上空の渡り廊下でつなげ、移動が円滑に。生徒が公道に出る場面が減り、安全面も強化された。

 校長の齊藤由紀子教諭は、老朽化した東館の建て替え計画が持ち上がったときから、生徒により良い環境を探ってきた。

「都心の狭い校地を活用するために、建て替え時に1階分高くし、バラバラだった化学と物理の実験室をまとめました」(齊藤教諭)

 理科講義室を新たに加え、多様な授業形態が可能になったこの理科フロアは、文化祭では理数系クラブの展示が並ぶ「サイエンスストリート」となる。「文化祭などの機会を利用して、小学生のみなさんにも来校いただきたい」と、教頭・小林裕子教諭は語る。

桜蔭/教室の廊下には棚と黒板が設置され、ちょっとした打ち合わせにも利用できる(撮影/高野楓菜)

 創立2年目の臨海学校の記録が残るほど、同校が重んじているのが「水泳」だ。新しいプールには、先生たちのこだわりが詰まっている。

 広いガラス張りの監視室からはプール全面が見渡せ、更衣スペースはクラス全員が使用できる数を確保した。壁掛けドライヤーは、身長に合わせて選べるよう、2種類の高さに取り付けた。長い髪を乾かすことも考慮した、細やかな配慮だ。(ライター・林郁子=美和企画、ライター・笹原依子=美和企画)

AERA 2024年4月15日号より抜粋

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