「アベノミクス元年」である2013年は、海外投資家が日本株を15兆円買い越しています。この海外マネーの流入が、アベノミクスの導火線に火をつけました。私もこのとき、大きく資産を伸ばしました。2012年に3000万円ほどだった資産は、2016年には1億円を突破。私だけでなく、このときたくさんの「億り人」が誕生しました。
その後、海外投資家は利益確定のため売り越しに転じます。2015年からの8年間で、累計売り越し金額は15兆円にのぼりました。それが2023年以降は、ふたたび買い越しに転じ、6兆円の海外マネーが日本に流入しています。
そして2024年。日経平均株価が史上最高値をつけた2月まで、海外投資家は日本株を6週連続で買い越していました。彼らの活発な動きが、株価を押し上げたといえます。
しかし、彼らの動きを見ていると、まだまだ疑心暗鬼のようです。日銀はこのままマイナス金利を解除して、利上げしていくことができるのか。デフレ脱却に成功し、インフレに移行できるのか。東証(東京証券取引所)が取り組んでいる「PBR1倍割れ企業」に対する改善要請は、本当にうまくいくのか。
新NISAによって、どれだけ個人投資家の動きが活発になるのか。総理大臣をはじめ、政治の安定化も見ているでしょう。これらがクリアになってきたら、海外投資家は本腰を入れて「日本買い」を始めるでしょう。
そのときは、アベノミクスのときのように子飼いのメディアを使って、「海外投資家が日本株を爆買いしている」とか、「営業拠点を東京に移した」といった、「日本上げ」のアナウンスを連日のように流すでしょう。もしそうなれば、ふたたびアベノミクスのような、あるいはそれを超えるような相場になっても不思議ではありません。
みなさんも、海外投資家の動きを注視するようにしてください。
※投資は個々人の判断と責任において行うのが原則です。