経済の調子がいい。株価はバブル期を上回る水準にまで達した。注目を集める新NISAでは、どの商品に投資するのがいいのか。25年のキャリアを誇る投資家・上岡正明氏はずばり日本の個別株だという。上岡氏の著書「日本株で新NISA完全勝利(アスコム)」から一部を抜粋し、投資先としての個別株の現状分析を紹介する。
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「日経平均4万円」の導火線に火をつけるものとは
この原稿を書いている最中、日経平均株価がバブルの絶頂期につけた史上最高値、3万8915円を突破しました。私は自身のユーチューブチャンネルで、以前から「新NISAをきっかけに日本株ブームが起こるかもしれない」とお話ししてきました。しかし、こんなにも早く予測どおりの展開になりつつあることに、自分でもやや驚いています。
ただし、本当の株ブームはこんなものではありません。私は、2003年から2006年にかけての、いわゆる「小泉バブル」を経験しています。とくに2004年、堀江貴文氏が率いるライブドアが15連続ストップ高をつけたあたりの世間の雰囲気は、まさに株一色でした。
書店の目立つ棚は、株式投資の本で埋め尽くされていましたし、メディアもこぞって株式投資のニュースを取り上げていました。
そのときブームの追い風になったのは、ネット証券の普及でした。
現在では、口座の開設から商品の売買、管理まで、インターネット上のみで完結できます。しかしかつては、証券会社の店頭へ足を運び、営業マンと対面で取引するのが一般的でした。ところが1998年に松井証券、翌年にSBI証券がインターネット取引サービスを開始し、家にいながら気軽に株を売買できるようになりました。それが追い風となって、「小泉バブル」が開花したのです。
私自身、インターネットで株式投資ができるようになったこと、そして「小泉バブル」で世の中が盛り上がっていたことがトリガーとなって、投資を始めたという経緯があります。