元朝日新聞記者 稲垣えみ子
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 元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

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 先週のAERAで「わかりにくい渋谷」の記事を読み、思わず苦笑した。というのは先日、「渋谷ヒカリエ」というビルの中にある劇場へ友人と行く約束をし、ビルは駅直結と聞いたので油断していたら、迷いに迷って危うく遅刻する勢いだったのである。

 いやね、駅直結といえば表示に従えばサルでも着けそうなもんじゃないですか。それがなぜか表示を見失い、でもまあ駅前のでっかいビルらしいから目で見りゃわかるだろうと地上へ出てぐるりと周囲を見渡したが、あっちもこっちも同じような新しいビルばかり。建物に名前くらい書いてあるかと思ったがなぜか見当たらず。この辺りで既に理性を失い、ええいこれだろう! と入ったビルがフクラス。次に入ったのがスクランブルスクエア……もうパニックです。こうなるとかわいらしいカタカナの名前に憎しみすら湧いてきて、ヤケクソになって道を渡ったもう一つのビルに入ったら、そこがヒカリエであった。ようやく光へ? ……出来の悪いブラックジョークしか浮かばない。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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