巨人のドラフト5位ルーキー又木鉄平(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 2年連続Bクラスからの巻き返しを図る巨人。現在は広島、阪神と首位を争っており、優勝も十分に狙える位置につけている。チーム防御率は一昨年がリーグ最下位、昨年がリーグ5位と投手陣が大きな課題となっていたが、今年はここまで阪神に次ぐリーグ2位と大きく改善しているのはプラス要因と言える。(文中の成績はすべて5月30日終了時点)

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 昨年初めて二桁勝利をマークした山崎伊織が成長して戸郷翔征と両輪と言える存在となり、ここ数年低迷していた菅野智之も復活を果たしている。またトレードで獲得した高橋礼と泉圭輔、若手の西舘勇陽と堀田賢慎、外国人選手のバルドナード、ケラーも好成績を残しており、投手の選手層は確実に厚くなった印象を受ける。

 しかしその一方で投手陣の課題が残っていることも確かだ。それは頼れる左投手の不足である。リリーフではバルドナード、高梨雄平、大江竜聖が存在感を示しているが、先発では柱と言える存在は見当たらない。ここまで左腕の投手が先発した試合での勝利数はわずか2勝(グリフィンと横川凱が1勝ずつ)。広島には床田寛樹、阪神には大竹耕太郎という左のエース格がいることを考えると、巨人も早く先発の柱となる左投手を確立したいところだ。

 ではその候補となりそうな選手は誰がいるのだろうか。まず名前が挙がるのは今年も先発で勝利を記録している横川になるだろう。プロ入り5年目の昨年はプロ初勝利を含む4勝をマーク。今年は開幕ローテーション入りを逃したもののリリーフで結果を残し、今季初先発となった4月27日のDeNA戦では5回を無失点と好投を見せている。その後は登録抹消となり、現在はファームにいるが、状況によっては近日中の一軍昇格もありそうだ。ただ190cmの長身の割にストレートは140キロ台前半で、打者を圧倒するようなボールがないのは課題だ。まだ若いだけに、ストレートをさらに磨いてスケールアップを目指してもらいたい。

 横川に続く存在としては今年5年目となる井上温大を挙げたい。2年目のオフには故障で一度育成契約となったが、そこから復活して3年目にはプロ初勝利をマーク。昨年は二軍で7勝0敗、防御率0.75という圧倒的な数字を残している。今年はここまで先発で1試合、リリーフで9試合に登板し防御率は4点台とそこまで安定感はないが、5月30日のソフトバンク戦では2番手で登板し、4回無失点の好投で勝利投手となった。積極的に起用されていることからも、首脳陣の期待の高さがうかがえる。175cmと投手としては決して大柄ではないが、ストレートは150キロを超えることも珍しくなく、入団当時から確実にスピードアップしている。ただ頼れる変化球がスライダーしかなく、走者を背負ってから粘ることができていないのが課題だ。素材の良さは誰もが認めるところだけに、もう少し投球の幅を広げられるかが重要になるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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