コロナ禍が明けて、対面での公務が再開して注目が集まる皇室の方々。お一人お一人の、背景を知るとその風景もまた違って見えてくる。過去を振り返る「皇室あのとき」。今回は21歳のお誕生日を迎えたときの愛子さまについて(この記事は2022年12月7日配信した記事の再掲です。年齢、肩書等は当時)。
【写真】まさか1人だけドレスコードが伝わっていない?女性皇族がずらりと並んだ一枚
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、愛子内親王について。
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皇室のカレンダーを飾る人の気持ちが知れなかった。だいたい他人の家族写真を自宅に飾るという発想が意味不明である。そう思って半世紀生きてきた。が……気が付くと私は今、こう思っている。
21歳のお誕生日、白い馬と寄り添うように立ち、カメラ目線でほほ笑む愛子内親王の“あのお写真”、ほしいです。
多くのメディアが一斉に報道した愛子内親王の21歳誕生日ショット。眞子さん×小室さんにまつわる報道に疲れ気味だった今だからなのか、深い幸福、静かな平和、強い安定を漂わせる愛子内親王の笑み(白馬付き)に、虚を突かれたのかもしれない。内親王に全幅の信頼を寄せているような馬の表情もすごい。ちなみにあの白馬の名は「生智」である(←調べた)。生きる智、ですよ。ディープインパクトとか、トウカイテイオーとか、キタサンブラックとか……そういうのではない馬の名前を、私は初めて知りました。
愛子内親王、いったいどのような方なのだろう。2020年の共同通信の調査によれば、女性天皇を認めることに「賛成」「どちらかといえば賛成」を選んだ人は計85%にのぼっている。それはやはり、その地位に立つのが愛子内親王だから、という具体的なイメージがあってこその85%だろう。この国のムードとしては、愛子天皇を見たい、という欲望がはっきりとあるのだ。
愛子内親王。長年、心身の不調を訴えてきた母のもと、ご自身も中学時代に激やせした姿を見せるなど、精神的に厳しい時代も長かったのではないかと思っていたが、今年3月に行われた初めての単独記者会見では、「皇室の一員である」ことの使命を堂々と語られていた。ご自身の言葉を自由に発することのできない立場としては、佳子内親王はじめ他の成年皇族の女性たちよりずっと厳しいのではないかと思われるが、佳子内親王による現代女性らしい発信(ジェンダー平等に関することなど)や、眞子さんの“家出”のような結婚から感じる生々しさのようなものは、愛子内親王からはほぼ感じられない。そもそも報道によれば、愛子内親王はこの1年、コロナ禍のため外出は3回だけだったという。いくらおうちが広いとはいえ、21歳の女性がそんな生活できるものだろうか。そういう意味では、閉ざされた世界でも黙々と我が道を生きられるという、ものすごく皇室向き……なのかもしれない。