アポ獲得にどれだけ時間を費やしたか把握しているか

 この時間への意識を最近では「タイパ」と表現します。タイパ=タイムパフォーマンスです。1つの成果に対して、どれだけの時間を費やしたのかという発想です。

 しかし、自分がアポイント獲得や準備、商談にどれくらいの時間を費やしているのかを把握していない営業がほとんどです。「もっと時間を効率的に使いたい」「もっと時間を有効活用したい」とほとんどのビジネスパーソンはこのような考えを持ちながら、日々の時間の使い方に無頓着ということが少なくありません。

 私が経営する営業ハックでは、「時間生産性」という言葉を使い、時間意識を持って営業をしてもらっています。

 例えば、メンバーは、コールドリストと呼ばれる接点がまだない相手へのアプローチでは、まずは4時間で1アポという目標を追いかけています。

 また誰かに時間をもらうにあたっても、この意識は常に話しています。例えば、同僚にテレアポのロープレをお願いするということは、その間営業はできなくなります。4時間で1アポを目指しているにもかかわらず、仮にロープレで1時間奪われたとしたら、その分どこかで3時間に1件、2.5時間に1件のアポイントを目指さなければいけなくなります。相手の時間を使っているという意識を持たなければ、時間という有限な資産を食い散らかしてしまうということです。

メリハリのないリモートワークは時間が溶けがち

 今までの日本は、とにかく成果を出すために働き続けること、残業が多いことが正義とされがちでしたが、今は少ない時間で大きな成果を出す意識が不可欠です。

「時は金なり」と言いますが本当にその通りで、「時間を掛ける=コストが掛かる」という意識を常に持つべきです。営業ハックはフルリモートの会社で、全員が在宅勤務です。営業=出社して競い合うという前提を外した会社ですが、リモートワークは出社というメリハリがない分、時間への意識が強く求められる働き方です。

 よくスタートアップでは資金調達したお金があっという間になくなってしまうことを「溶ける」と表現しますが、リモートワーカーは「時間が溶ける」ということが起こりがちです。「気づいたらもうこんな時間」「あれ、もう午前中終わり?」という体験はまさに時間が溶けた最たる例です。

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