「飽き性」も愛おしく思えるお年ごろ(イラスト:サヲリブラウン)

 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 ここ2年ほど、髪にはパーマをあてています。最初はセミロングにゆるく。そのまま伸ばして風に美髪をなびかせるつもりが、長さに耐えきれず結んでばかり。徐々にパーマも強くなり、イラストレーターのサヲリブラウンさんに描いていただいているとおり「ウェーブヘアをポニーテール」が定番になっておりました。

 その前はボブヘアにカチューシャが定番でした。ラジオのレギュラー番組や連載の仕事をしていたら、ずっと同じ髪形でいたほうがよいという考え方もあります。その通りです。宣材写真は頻繁には撮影しないものですし、私が私のマネージャーだったら、髪形をコロコロ変えるのは賢明ではないと言うでしょう。ちなみに、ポッドキャスト番組「OVER THE SUN」のアイコン写真の私はおかっぱにカチューシャ。お相手の堀井美香さんは、ずっと髪形を変えていません。

 しかし、私は飽き性です。またしても髪形を変えてしまいました。今度はミュージカル「アニー」の主人公のような髪形。クルクルカーリーヘアです。我ながら、よく似あっていると思います。

 学生時代、「飽き性」は明らかに弱点と見做されていました。まさに、習い事や勉強など、飽きずに続けていたら、違う人生が待っていたかもしれません。

 人生とは面白いもので、若い頃には尊ばれた「飽きない性格」は40歳を過ぎると、固定観念に囚われ変化を恐れる傾向と見做されるようになります。堀井さんのように、まるで同じに見えて時代に合わせて都度微調整を行える人は稀で、たいていは不変が思考停止と同義になってくる。

 飽き性は、好奇心旺盛と近似値です。しかし大人になると、好奇心は否が応でも目減りしてくる。やらなければならないことばかりですし、新しい情報に興味を持つ気力体力も薄れてきます。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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