澤上篤人さん/長期投資家(撮影/編集部・首藤由之)

 こんな「張りぼて経済」が続くはずがありません。インフレと金利上昇が現実化し、張りぼてに刃を突き付けられ、にっちもさっちもいかなくなっているのが今です。

 早晩、大暴落が始まります。ひずみが大きく膨らんでいるので、リーマン・ショック以上にひどい下落になると見ています。日経平均はじめ世界の株価は半年から10カ月の間に、3回ぐらいに分けて大きく値を下げて沈んでいくでしょう。

 いったん下がり始めるととてつもない売りが殺到するので、そこから絶対に逃げることはできません。今こそいったんマーケットから離れるときです。暴落で「張りぼて」の部分が消え、世界のマーケットが実体経済に沿った動きを始めるのを待つべきです。

 澤上氏は50年の経験に基づいて暴落説を唱えている。少数説かと思いきや、学界でも慶應大学大学院の小幡績教授が「バブル崩壊は必至」と主張し続けている。

「リーマン・ショック以来、危機が起きると過度の金融緩和を行い、新たなバブルを作り続けてきました。日本も世界もバブルになっており、世界同時崩壊もありえます」

 果たして現実はどう動くか──。(編集部・首藤由之)

AERA 2024年5月20日号

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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